CROWS クローズ


作者 高橋ヒロシ
『カラスの学校』と異名を取る超不良校・鈴蘭男子高校に転校てきた主人公、坊屋春道を軸に様々な強敵と喧嘩を重ねて友情を育んでいく学園不良マンガ。

連載中はそれほど話題になっていなく、知る人ぞ知る名作的な扱いだったが、徐々に人気が高まり、ダウンタウンの松本人志がテレビの番組でワーストを全巻持っていると、発言した事も話題となり、人気コミックに、累計発行部数が3200万部にも達している。


クローズが良かった。坊屋春道のキャラは魅力的でした。ヒロミ、ポン、マコ、ヤス、亜久津といった名脇役も良かったし、龍信、美藤(兄)、県南3人組、スネイクヘッズなどの敵役との絡みも最高でした。
ゼットン、秀吉、米崎、マサら一年生もキャラ設定が良く、同世代のキングジョー、武田好誠、アンモらもそれぞれ味を出していました。惜しむらくは、スネイクとの戦い以降、春道のケンカシーンが割愛され始めたこと。
それは現在のWORSTにも続いていて、一部ファンからは「手抜きじゃねーか」との指摘もあります。


QP キューピー



作者 高橋ヒロシ

暴力大魔王の異名を持つ主人公、石田小鳥(通称キューピー)が少年院から出所して町に帰ってくる、そして再びキューピー伝説が蘇る。
全8巻で話を広げすぎずうまくまとめられています。


>QPには漫画の神が舞い降りています。アラを探せばキリがありませんが、良く出来ている青年向け漫画じゃないですかね。
我妻涼やトム&ジェリーなど私のお気に入りです。
WORSTはどうにかせんならん!高橋さんよ、初心に戻れ!

ジョジョの奇妙な冒険



作者 荒木飛呂彦

1987年に連載が始まり、いまだに連載が続いているという、根強い人気を持つコミック。
1部完結型で、それぞれの章ごとに主人公が変わり、現在は大7章が連載中です。
少年ジャンプに連載中は一般的な読者がついてこれたのは第3部までで、それ以降は話が複雑になり熱狂的なファンと難しくて読まない読者に分かれた。
しかし、それ故に第4部からは、奥の深く重厚なストーリーが展開される。
作者の荒木飛呂彦がハードロックが好きなのか、劇中のキャラクターの名前や技に、バンド名や曲名などがよく引用されている。
単行本のシリーズ累計はなんと、7000万部を超える。



作者が神ですね。てか、スタンド使いとも波紋使いとも言われています(要出典)。
週刊誌であの画力とアイディアを休載もなしに長年続けてるってのは凄すぎですよ。
個人的には2部のジョセフが一番好きだったんですが、6部ストーンオーシャンを読んでまたまたぶっ飛びました。
よくもまあ、ここまで考えるなと。
この漫画にハマって以来、やれやれだぜ、が口癖になってしまいました。
欲しいスタンド能力は「ヘヴンズドア」です。

はじめの一歩



作者 森川ジョージ

1989年から週刊少年マガジンで連載が始まりいまだに連載が続いている長編ボクシング漫画。
主人公の一歩のライバルた達との戦いを通して成長していく姿をじっくりと描いている。
「あしたのジョー」を超えるボクシング漫画は出ないと言われていたが、この「はじめの一歩」は「あしたのジョー」を超えたかもしれない。
しかし、連載が長く続きすぎたせいか最近パワーダウンしたとの声もある。



各キャラの設定が良くて、全て活かしきれてるところが偉いですね。
鷹村、青木村、会長、八木ちゃんを始め、千堂、間柴兄妹などもいい味出し続けてます。
画力もアップして試合での迫力は凄いものがありますね。おふざけシーンとのギャップが漫画家としての生命線にもなるんでしょう。
ベタですが鷹村VSホーク、一歩VS千堂戦(タイトルマッチ)は何度読んでも鳥肌立ちます。
気になるのは一体いつ一歩が世界チャンピオンになるのかなという点。作者もこの作品と心中する気なんでしょうか。

殺し屋 イチ


作者 山本英夫

『ジジイ』率いる歌舞伎町のハグレ者グループ(イチも所属。ただし、ジジイ以外のメンバーは彼の顔を知らない)と『垣原』率いる暴力団・安生組との攻防を描く。全10巻


グロい。けど面白いですね。性、自傷、SM、苦痛、倒錯、トラウマ、殺戮、新宿歌舞伎町暗黒街事情など、現代の日本が抱える種々の問題がごった煮状態に詰め込まれていますね。
このようなグロく深い漫画を描く作者の精神状態ってどうなんでしょうか。
私みたいな凡人には真似出来そうにありません。


バガボンド



私も青春時代は例に漏れず大山倍達さんを尊敬していまして、その著書は殆ど読破した口でした。
その中で彼が憧れてやまなかった宮本武蔵の話は良く出ていました。
他にも伊藤一刀斎や千葉周作、柳生但馬守宗矩、塚原卜伝などの剣豪にまつわるエピソードは数多かったと記憶しています。
また、吉川英治作「宮本武蔵」は若き日の大山さんが繰り返し読んで涙したと記載されており、いつかは読んでやろうと思ったにも関わらず、何となくとっつき難くて読まず終いでした。

吉川英治先生の国民的大作を基にしたこの「バガボンド」、最初は漫画に毛の生えたレベルで始まったんですが、いまや完全に芸術の域に達した感がありますね。
まず絵が上手い。人相の書き分けも非常に巧みで効果的です。
次にキャラ設定と人物の背景を描くのが上手い。祇園藤次みたいなワルキャラや宍戸梅軒こと辻風黄平のような漫画的キャラを登場させることによって、時代劇にありがちな近寄りにくさ、堅さが消えましたし、敵役であってもほんの数ページの背景説明で彼に親近感を持ててしまう説得力が凄いんです。
しかし何といっても一番凄いと感じるのが佐々木小次郎の描き方。
大胆にも小次郎を聾唖者と設定し、しかも赤ん坊期から描くことにより読み手に小次郎に対する愛着を沸かせることに成功しています。

武蔵はタケゾウ時代から手のつけようの無い野獣で天下無双に憧れ、暴れて仕方無かった時に七宝寺で沢庵坊から諭され、続いて宝蔵院覚禅坊法印胤栄から哲学みたいなものを学び、強さを増していきます。
やがて剣聖:柳生石宗斎に「天下無双とはただの言葉だ」と一蹴され、より哲学チックな生き方をします。
もちろん、真剣勝負を重ねながらの思考なわけですが。
一方、小次郎は生まれつきの聾唖者ですから言葉を持たない。
したがって考えるということは出来ない。
なので剣の世界で大切な「感じる」感覚が研ぎ澄まされていくわけです。
しかも喋れない小次郎の代わりに兄弟子:伊藤一刀斎や敵によって小次郎を語らせる。これが最高に効果的です。
説明に百万語を費やす以上に、生き生きとした小次郎を相手に語らせる手法は見事です。
特に、関が原の戦い見物の後、巨雲と戦うシーンなどは完全に芸術の域だと思います。
哲学的思考を得た野獣:武蔵と、聾唖者ゆえ剣の感覚のみが異常なほど研ぎ澄まされた天才:小次郎の対比が実にいい。

この作品のテーマって色々あるんでしょうが、そのひとつに「覚悟」があるんでしょう。
真剣を持った者同士が対峙する瞬間にはハッタリや虚勢は通用しません。
かつて「仁義なき戦い」と呼ばれた広島代理戦争で有名になった美能幸三さんは若者に「殺し、殺される覚悟があって初めてヤクザになれる」と諭したそうですが、戦中派だけあって真剣の世界に通じる精神世界を持っていますね。

現在のところ27巻までしか読んでいませんが、将来に残る名作であることは間違い無いのではないでしょうか。